「Computational Neurology Club」第4回 開催のご案内(『行動変容生物学』共催)
「Computational Neurology Club」第4回
テーマ: 深層学習を用いた姿勢推定技術の実応用による神経所見定量化
日時:2023年10月12日(木)17:30-19:00
開催場所:オンライン(zoom)
講演者:佐藤謙一郎(東京大学)
お世話になっております。生命創成探究センター(ExCELLS)の中江健です。第4回のComputational Neurology Clubですが、東京大学で神経病理学を研究している若手研究者の佐藤謙一郎先生に発表していただくことになりました。これまで、先生はヒトのアルツハイマー病のADNIデータベースやパーキンソン病の運動症状に関してデータサイエンスの視点から研究をされています。今回は、パーキンソン病に関する運動症状の解析や、概要にはありませんが認知症に関連してJADNIやJ-TRCについても説明していただく予定です。皆様ふるってご参加ください。登録は以下からお願いいたします。
概要: パーキンソン病など運動症状を呈する神経疾患の診断・治療においては神経学的所見の診察が重要であるが、この判定は脳神経内科医をはじめとする医師による半定量的な判断が主体となっている。専用機器を用いて神経所見を様々な側面から定量的に測定することは技術的には可能であるが、手間も時間も費用もかかるため日常診療において行われることはまずない。また脳神経内科診療においては入院患者の歩容・状態を家庭用ビデオカメラで記録しておく機会が度々あるが、専用機器を併用していないこともあり実際にデータ活用に供されることもほとんどなかった。 我々は、深層学習による2次元姿勢推定ライブラリをこのビデオ録画された動画に適用することで神経所見を抽出し、定量的評価に活用できないかと考えた。結果として、歩行の正面像から歩行cadenceを抽出し、またすくみ足の程度を抽出した。また同様にLeg agility所見におけるリズム不整の程度を抽出した。特別な測定機器を用いることなく複雑な神経所見を定量的に表現・抽出しうる、しかも臨床で実際に簡便にデータ取得可能な手法であるという意義があると考えられる。適用可能な条件という点での制限や、他疾患への応用の可能性等についても考察する。
Ref:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0223549