文部科学省科学研究費 助成事業「学術変革領域研究(A)」行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学

行動変容生物学 - 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学

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マウスの運動学習時の脳活動と 行動を同時記録した大規模データセットを公開 ~行動変容生物学を加速する国際標準形式のオープンデータ~

当領域総括班の松崎班,中江班,田中班からなるデータ取得・データベース構築チームは,行動課題を学習するマウスの神経活動および全身の詳細なビデオ記録を行い,標準規格として利用が進むNWB(neurodata without borders)フォーマットとして公開しました。これは行動課題の学習過程を通じて神経活動が記録されたものとして,世界初となる大規模データセットです(15日間,25匹)。
元々のデータが内包する本質を残しながら数値解析を行いやすい形式へ変換する標準化作業(前処理)には専門的な知識が必要とされます。このような背景が実験を専門としない研究者が神経活動データを利用しようとしたときの障壁になり,データの利活用が阻まれてきました。我々は取得した生データに加えて,前処理済みデータを公開データに含めることで,利用者が可能な限り速やかに自身の仮説検証・解析ができるようにしました。
今回のデータセット公開に先立ち,2025年2月に行われた第1回行動変容生物学ハッカソンでは同様のデータセットとオンラインチュートリアルを併用することで,マウスの神経活動解析を行うことが初めての参加者でも比較的容易にデータ解析が始められることが示されました。
本データセットの公開と利用を通じ,行動変容の普遍的原理の解明,脳動態との関係性の理解が進むことを期待しています。

生データを含むデータセットへのリンク https://dandiarchive.org/dandiset/001425/
解析オンラインチュートリアル  https://drive.google.com/drive/folders/1QciTJd3tXkEGhz6782czB2dEO3fafm8M
プレスリリース  https://www.u-fukui.ac.jp/result/108001/

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